本師(ほんし)源空は、仏教を明らかにして、
善悪(ぜんあく)の凡夫人(ぼんぶにん)を憐愍
(れんみん)せしむ。真宗の教証(きょうしょう)、
片州(へんしゅう)に興(おこ)す。選択本願
(せんじゃくほんがん)、悪世に弘(ひろ)む。

七高僧第七祖の法然上人です。源空とは、法然上人の本名で、
親鸞聖人は、法然(源空)上人を本師(根本の師匠)と仰がれていました。

法然上人は、お若い時から仏教を広く学ばれ「智慧第一の法然房」
と呼ばれるほどの名声でしたが、本人は真実の教えを感得することが
できず苦闘されました。

しかし、とうとう善導大師の『観経疏』のご文から選択本願念仏の
実の教(仏教)を明らかにされたのでした。法然上人は、善悪の凡夫
すべてに慈悲の心をもって憐愍(あわれむ)し、教化されました。

そのこともあって念仏の教えは片州(日本)に広まりますが、
自力聖道門中心の比叡山延暦寺や奈良興福寺などの弾圧にあいます。
それでも念仏の教えは戦社会(悪世)にまって行きました。

親鸞聖人は、法然上人の聖道門に対する浄土門(念仏の教え)をさらに
体系化し、『教行信証』に信心正因の念仏思想として確立され
ましたが、そのりは師である法然上人だと謙虚に自覚されています。

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