七高僧の第五祖の善導大師は、613年中国でお生まれになられました。
このとき中国は隋の時代でしたが、すぐ唐の時代になり、そのころ
活躍された善導大師は、「唐の善導」としてよく知られています。
早くから浄土三部経のひとつ『仏説観無量寿経』に出遇われ、
これこそ有縁の経典と喜ばれて、『観経』を生涯学ばれました。
また、玄忠寺の道綽禅師を尋ねられ自分の進むべき道を明らかに
されました。
当時中国では、『観経』を注釈する僧侶・学者が多くおられましたが、
観念を凝らす(心を静めて浄土を想う)という味わいであったため
浄土を想って命を絶つ人々が多くおられたようです。
このことは、お釈迦さまの説かれたお経の正意(正しい願い)とは
まったく違うと、善導大師はひどく嘆かれ、『観経四帖疏』を書かれました。
そこに、『観経』の本意は『仏説無量寿経』を通して味わわなければならない、
つまりお釈迦さまの正意とされるところは、阿弥陀如来の本願(信心)にある
ということを独りはっきりと示し明かされたのでした。
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