世自在王仏の所(みもと)に在(ましま)して
法蔵菩薩のことは、「仏説無量寿経」の上巻にくわしく説かれてあります。 少しお話します。 久遠無量の昔、五十三の仏が世に出られました最後に、世自在王仏 お出でになりました。ある時、王さまが世自在王仏のお話を聞かれ、 富や権力のある王の位におりながら味わうことができなかった広大な 世界があることを味わわれました。そして、王位を捨て(娑婆世界を 越えた仏の道へ入られ)修行者(法蔵菩薩)となられたのです。 法蔵菩薩は、師である世自在王仏の所へ出向かれ世自在王仏のお徳 を讃歎され自分の願いを述べられました。その偈文(げもん:うた)が、 皆さんご存知の『讃仏偈(さんぶつげ:コウゲンギギ〜)』です。 それから世自在王仏の教えをうけて、無上殊勝の願(他に例のない すぐれた願い)をたてられます。さらに、五劫(ごこう)という長い間 思案して、たてられた願いを四十八の願にまとめられ、衆生の前に述べら れるのです。これが「四十八願(しじゅうはちがん)」です。 法蔵菩薩は、この四十八の願いを成就するために兆載永劫(ちょうさい ようごう:言葉では言えないほど長い期間)の修行をなされ、ついに その修行が終わって四十八願は完成され、極楽浄土ができあがりました。 つまり、法蔵菩薩は阿弥陀如来となられたのです。 極楽浄土ができて、法蔵菩薩が阿弥陀如来になられたのは、今から十劫の 昔だといわれています。
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