法蔵菩薩因位(ほうぞうぼさついんに)の時
親鸞聖人の「帰命無量寿如来」「南無不可思議光(如来)」という信心は、 いったい、いつどこから起こったのでしょうか。 法然上人に出会われた29才の時でしょうか。いや、出家された 9才にまでさかのぼるのでしょうか。そうではありません。 法蔵菩薩因位の時から起こったのです。 法蔵菩薩因位の時とは、法蔵菩薩が久遠の昔に「本願」を起こして くださったその時です。「本願」とは、年々に老いてゆき、育ててく れた父母に別れ、つれあいを亡くし、心許しあえる友達も減っていく 私。孤独がますます深まっていく私です。そのような私の悲しみ・ 苦悩を見抜き、そんな私(苦悩の有情)を救いたいと起こされた願い のことです。 法蔵菩薩は、本願(願い)を起こして修行をされ、その願いを成就 (さとり)して、阿弥陀如来に成られたわけです。つまり、「菩薩」 とは修行中の身(因位)であり、「如来」とはさとりを開いた仏さま (果位)のことです。 阿弥陀如来が修行されていた時のお名前を、法蔵菩薩というのです。
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