信頼できる国へ

憲法改正の手続きを定める国民投票法が14日成立し18日に公布されました。
それにしても、安部内閣になったとたんに、昨年の12月の教育基本法改正にはじまり、
防衛庁の省昇格関連法、そして今回の国民投票法成立と、何だかキナ臭い流れです。
この先には、集団的自衛権を行使すべく憲法九条改定へと進むことは間違いないでしょう。

安部首相の思考基盤は、著書「美しい国へ」にも書いていたように、
国・社会のしくみや国民の価値判断を天皇制に求めるということです。
先の戦争の過ちが天皇制にあったことを省みることなく、それを復活させ戦争のできる
美しい国づくりをはじめているのではないでしょうか。

新教育基本法では、「公共の精神」「伝統文化の尊重」を訴え、個人より公の大切さを述べ、
防衛省昇格のときは、「国民の生命や生活が防衛の上で成り立っている」と言って、
ミサイル防衛システムを誇っていました。まさに戦前の日本のおごりそのものです。

それらは、はたして正しいことでしょうか。

仏教の立場ははっきりしています。「兵戈無用:ひょうがむよう(『仏説無量寿経』)」
兵隊も武器も必要ないということです。親鸞聖人もお念仏の教えを守るため、『教行信証』をあらわし、
文字で戦われたのです。人間同士だから、言葉を交わし認め合うこともできるはずです。

攻められたらどうやって守るのですか、という反論があると思います。

武器があるかぎりは、どんなに防衛をしても私たちの生命や生活を守ることはできません。
アメリカの社会でおこった先日の銃による悲しい事件をよく考えてみてください。
9・11テロ事件を思い出せばわかることではありませんか。

では、どうすればいいのでしょう。

日本には非戦をうたった現憲法があります。それを世界へアピールしていくべきです。
自衛隊は、慈悲援助隊にして、戦闘地域には行かない。非戦闘地域では後方救助活動をしながら
非戦を訴えるのです。日本は九条憲法のもと、武器を持つ国々がそのおろかさを自覚するまで、
血を流さず汗を流すのです。

仏さまの教えを基盤にして、戦争をしない信頼できる国にしていきたいと思います。
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