基幹運動の課題〜歴史

1986(昭和61)年に、これまで本願寺派で行っていた門信徒会運動
(お念仏を広めましょうという取り組み)と同朋運動(御同朋の社
会を実現して行きましょうという取り組み)は、別なものではな
いという観点から「基幹運動」として一本化されました。

目標を「御同朋の社会をめざして」、またスローガンを「念仏の
声を世界に子や孫に」とさだめ、ご門徒の悩みに応えられるお
寺づくり、いのちの尊さを社会に発信できる教団づくりに取り組
んできました。

御同朋(おんどうぼう)とは、親鸞聖人の「一切(いっさい)の有情
(うじょう:生きとし生けるもの)は、みなもつて世々生々(せせ
しょうじょう)の父母(ぶも)・兄弟(きょうだい)なり」のおこころ
を体した、阿弥陀如来の願いのもと共に生かされる仲間のことです。

しかし、その取り組みの中、墓碑や法名や過去帳に差別記載が
あることがわかったり、お寺で差別発言や差別事件があったりと、
いのちをないがしろにする事象が多く起こりました。

これでは、いのちの尊さを社会に問いかけていく教団どころか、
み教えを求めている人々の願いに応えられるお寺づくりさえ危うい
ところです。仏法を単にこころの問題と受け止めてきて、人々の
生活や社会とかけ離れたものになってしまっているということで
しょう。

そのような中、浄土真宗のみ教えの理解の仕方にも問題があった
のではないかということが明らかになってきました。そして、基幹
運動の3つの課題として整理されたのが、「業・宿業」「真俗二諦」
「信心の社会性」という問題でした。

「基幹運動推進 御同朋の社会をめざす法要」に際しての消息
・・・(1997年)参照

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