プロローグ

アクセス3000回を記念して連載を始めますなどと、
大それたことをうっかり言ってしまって困りました。
しかし、言ったからには実行ですね。お経について
お聞きしたことや感じていることなどを、ゆっくり
お話してみたいと思います。

さて、自分の宗旨を「浄土真宗」と答えられなくても、
「お経は、キーミョーウムリョウです。」と答えられる
方は多いです。それほどよくおつとめされている
『正信偈(しょうしんげ)』を、この度の連載に選び、
仏さまの願い・おこころを味わってみることにしました。

『正信偈』は、親鸞聖人がお書きになった『教行信証
(きょうぎょうしんしょう)』というお書物の中の
「行の巻」に出てくる、60行120句の讃偈(うた)です。
正式には『正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)』といいます。

― しかれば大聖(釈尊)の真言に帰し、大祖(七高僧)の
解釈に閲して、仏恩の深遠なるを信知して、正信念仏偈
を作りて曰く、―

これは、(偈前の文(げぜんのもん))といい、『教行信証』
『正信偈』のすぐ前に書かれてある文章です。その内容
からもわかるように、『正信偈』は、釈尊をはじめとして、
七高僧(のちにお話します)のお徳をたたえられるのと同時に、
聖人自身がご本願のおいわれやお念仏のこころを深く味わわれ、
そのお救いをよろこばれた讃偈(うた)なのです。

そして、浄土真宗のみ教えの大切なところが詰まった
『正信偈』を抜き出し、『和讃(わさん:弥陀成仏のこの
かたは〜)』をつけておつとめするように定めたのが、
蓮如上人です。

さあ、『正信偈』の一行一句に込められている願いを一緒に
聞かせていただき、お育ていただいていることを共に喜んで
いきましょう。

コーナー表紙へ Home 次へ