『正信偈』は、親鸞聖人がお書きになった『教行信証 (きょうぎょうしんしょう)』というお書物の中の 「行の巻」に出てくる、60行120句の讃偈(うた)です。 正式には『正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)』といいます。 ― しかれば大聖(釈尊)の真言に帰し、大祖(七高僧)の 解釈に閲して、仏恩の深遠なるを信知して、正信念仏偈 を作りて曰く、― これは、(偈前の文(げぜんのもん))といい、『教行信証』 の『正信偈』のすぐ前に書かれてある文章です。その内容 からもわかるように、『正信偈』は、釈尊をはじめとして、 七高僧(のちにお話します)のお徳をたたえられるのと同時に、 聖人自身がご本願のおいわれやお念仏のこころを深く味わわれ、 そのお救いをよろこばれた讃偈(うた)なのです。 そして、浄土真宗のみ教えの大切なところが詰まった 『正信偈』を抜き出し、『和讃(わさん:弥陀成仏のこの かたは〜)』をつけておつとめするように定めたのが、 蓮如上人です。 さあ、『正信偈』の一行一句に込められている願いを一緒に 聞かせていただき、お育ていただいていることを共に喜んで いきましょう。