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わたくしの家の軒先に蜂が巣を作り始めた。 どうやら小型のスズメバチのようだ。 蜂は、集団生活をする。もちろんそれは、同種であり、 いわば大・大・だぁ〜い家族なのである。 ひとさまの社会では、核家族の方が流行である。 その方が、嫁姑戦争もなく楽なのであろう。 年寄りの相手もしなくて気が休まるのだ。 しかし、楽を選んだばかりに人間たちは、 自分も歳をとるのだということを忘れてしまった。 何もかもを役に立つもの立たないものとに 分け隔て、夢を見ながら生きている。 夢が破れたとき、すなわち歳をとり自分は 役に立たないと考えた人間は、その先どう 生きるのだろうか。 昨日の雨で巣がすこし破れた。 蜂たちは苦しみながらもあっという間にその ほころびを紡いだ。 |