毒痛(ドクダミ)


初夏のこの時期、日陰にひっそりと咲いて
いるのがドクダミです。

白い十字の花びらのように見えるところは
がくで、花は軸に穂のように多数つきます。
それも花びらはなく、黄色いおしべと白い
めしべだけです。

このドクダミは、葉がすごくにおうので
嫌われることが多いのですが、祖父は
十薬(じゅうやく)と呼んでいて、蚊に刺さ
れたときなど、その葉をもんでかゆみ止めに、
よくつけてもらったことをおぼえています。

また、春の花が終わって、夏の花が咲く前の
いわゆる間(あいだ)に咲く花なので、
花と花とのつなぎ役もしてくれています。

人と人とのつながりが分断されている現代
には、つながりの大切さを思い起こさせて
くれる花として、そしてわたくしと祖父との
思い出も含めて、なくてはならない花のひと
つなのです。
 

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